憲法集会のご案内
輝け9条!平和憲法公布65年石川県民集会
11・3石川県民集会に300名が参加
昨2011年11月3日の憲法記念日に、教育会館で「輝け9条! 平和憲法施行65周年記念石川県民集会」で開催されました。会場の3階ホールがいっぱいになる300人を超える参加者がつめかけ、「原子力の平和利用と言われてきた原発」の暗黒面を怒りをこめて告発する中嶌哲演さんの講演に熱心に聞き入りました。
弁護士の飯森和彦さんの司会で集会は始まり、初めに「九条の会・石川ネット」の呼びかけ人であり、石川宗教者平和協議会の理事でもある日蓮宗本延寺住職の河崎俊栄さんが開会のあいさつをしました。河崎さんは、宗教者が戦争に率先して協力してきたことを反省して、1962年(昭和37年)に、日本宗教者平和協議会が結成されたことを紹介しました。そして、南スーダンの国連平和維持活動への自衛隊部隊の参加やその際の武器使用基準の見直し、武器輸出3原則の緩和など、野田政権によって一歩一歩戦争に近づくような政策が進められていること、10月20日に衆参両院で憲法審議会の議員選任を強行したことに警鐘を鳴らしました。憲法を変えようとする動きが積極的に進められている今こそ、自分のできることを行動に移してほしいと呼びかけて、発言を終えました。
続いて、真言宗明通寺住職の中嶌哲演さんの特別講演です。演題は「大震災が問いかけるもの」。中嶌さんは、社会問題に取り組むようになった自らの体験を静かな口調で語り始めました。学生時代は「社会的な問題に関心がなく、お寺を嫌って外に出ることばかり考えていた」けれども、平和行進に参加した時、被爆体験を話す原爆被爆者の“この若者に自分の体験を伝えるんだ”という気迫がこもった言葉に接したことを契機として、被爆者の救護活動や核兵器廃絶の運動にとりくむようになったのでした。原発問題にかかわるようになったのは、1968年に地元の小浜に原発が建設されるという話が出てきてからで、既に、敦賀、美浜、高浜に6基の原発が計画中・建設中となっている時でした。原発計画を撤回させるために東奔西走した日々をふり返りながら、「福島の原発震災以後、みなさんが原発の問題に目覚められたとしても遅くありません」とともに原発の運転をストップさせようと呼びかけました。
さらに中嶌さんは熱く訴えます。福島原発事故を引き起こしながらも、なおも原発に固執する政府の姿勢を怒りをこめて告発しました。福島原発事故から8カ月にもなろうとしているにもかかわらず、いまなお福島県には、大人の10倍も感受性が高い「災害弱者である子どもたちが依然として30万人も放置されていることは許せない」「福島の4つの原発は、私には単に物理的な残骸には見えない。国策として推し進めてきた原発推進政策が自爆崩壊した姿に見える」と鋭く福島原発事故の本質を突き出しました。
「平和利用と言われてきた原発によって、原発被曝者は50万人にも達しようとしている。そういう被曝者の存在なくして原発の運転は不可能なんです」「特攻隊員よろしく福島原発に投入されている」と「原子力の平和利用」のおぞましい実態を明らかにしました。しかも、原発で働く下請け労働者の境遇は悲惨極まりません。「許容線量に達したから仕事に来なくていい」と原発の下請け会社からあっさりと首を切られ、困り果てたこの労働者は生活もままならずコンビニ強盗に手を染め逮捕されるという悲劇さえ日常茶飯事のように起きていることを中嶌さんは怒りをこめて紹介しました。
最後に、中嶌さんは高速増殖炉「もんじゅ」に反対すべきことを訴えました。1950年代に自民党政権下で発足した動燃事業団は、「原子力の平和利用」の名のもとに「もんじゅ」を開発し、原爆の材料にすぐに転用できる高純度99.8%のプルトニウムをつくろうとしてきたこと、他方、宇宙開発事業団は、ロケット開発を「宇宙への夢」として語りながら、その傍らでミサイルの技術開発をめざしてきたことを紹介し、「政治決断すれば、軽量級の核爆弾をミサイルに搭載することも可能となるように技術開発を進めてきた」のが歴代の日本の政権であることを明らかにしました。アジア諸国は日本の核保有と軍事大国化を警戒しているのであり、「自衛隊を軍事組織から災害援助組織に再編成していくことが必要」と訴え、「原発のいらない社会」を迎えるために、「これから生まれようと欲するものたち」への深い配慮と責任を全うしなければならないと力強く呼びかけて、中嶌さんは講演を終えました。熱く語る中嶌さんに感銘し、参加者は大きな拍手で応えました。
次は、県下の九条の会からの報告です。まず、「菜の花9条の花」からは、福島市出身の中内晃子(てるこ)さんが、3・11以降に3回福島に帰った経験も交えて、現地の状況を報告しました。「除染というけど移染」「落ち葉を集めても、それをどうしていいかわからない」「自分は結婚できるのか」などの不安やあきらめ、仮設住宅とほんのわずかの「補償金」で済まそうとする電力会社・政府への怒りの声などが紹介し、「事故により、自分らしく・幸せに生きるという当たり前のことを奪ってしまう原発は憲法違反」と訴えました。また「寺町台九条の会」からは、西川美江子さんが2006年に会を結成して以降、毎月9日の「サイレント宣伝」と「楽しくやろう」をモットーにした四季ごとの行事の二本柱で活動してきたことが報告されました。毎年夏におこなっている「平和の鐘つき」は、今年で6回目となり毎年80~90名が参加していること、今年は大震災の犠牲者の追悼し、平和・憲法9条を守る決意を込めて鐘をついたことが紹介されました。
「事務局からのお願い」の後、青年九条の会の鈴木宏太さんと角田進さんが集会アピールを読み上げ、参加者の盛大な拍手で採択されました。
最後に、能美九条の会の鈴木森夫さんが閉会のあいさつをしました。約1カ月前に小松基地所属のF15が市街地に燃料タンクを落下させる大事故を引き起こし、訓練中止となっているため、能美市や小松市は最近は静かになっているけれども、小松基地爆音訴訟をがんばってやっていきたいと述べました。そして、中嶌さんの“原発問題を考えるのは今からでも遅くない”との呼びかけに応えて、原発の問題を考え行動していこうと思っていると決意が述べられました。
みなさん、野田政権が進めている原発の再稼働、米海兵隊辺野古新基地建設、憲法改悪を許さないために、今年もがんばりましょう。
集会アピール
本日、私たちは、日本国憲法公布65年の記念日を迎えました。日本国憲法は、多大な惨禍をもたらした侵略戦争と、戦前の専制政治への深い反省のもとに、平和憲法として制定されました。中でも憲法九条は、武力では国際紛争を解決できないとの教訓から、戦争放棄・戦力不保持を掲げた人類の叡智の結晶です。
しかし、この平和憲法を変えようとする政治の動きが日々進んでいるのも事実です。
3月11日に発生した東日本大震災を機に、自衛隊と米軍との共同行動が展開され、改憲を求める議員からは憲法に非常事態条項を入れようという発言もなされました。まずは憲法改正手続を定めた憲法96条に焦点をあてて改憲を進めようとする議員連盟による署名活動も開始されています。
8月に発足した野田政権も、憲法九条を骨抜きにしようとする動きを加速させています。次のものがその例です。
- 衆参憲法審査会の活動開始へ
- 南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への自衛隊の参加
- 中国軍隊の活動等を視野においた南西諸島での自衛隊の活動強化
- 武器輸出禁止三原則の見直し
- 沖縄県民らの反対を押し切ってでも普天間基地を辺野古に移転させるため、一川防衛大臣は国による環境影響評価書を年内中に沖縄県に提出する方針であることを仲井真知事へ通告
このように、改憲の動きは、平和憲法そのものを変えようとするものと、それに先立って平和憲法を骨抜きにしようとするものとが、並行して進められているのです。
私たちの日本国憲法とりわけ憲法九条は、多くの国民に支持され、その思想は、世界の人々、そして世界の国々に大きな影響を与えています。平和を求める世論は、大きくなることがあっても、小さくなることはありません。
私たちは、日本国憲法公布65年の記念日に当たり、九条を守り、その理念の実現に向け、さらなる運動の拡大を確認し合い、集会アピールとします。
2011年11月3日
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日時 | 11月3日(木・祝) 午後2時~4時30分 |
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会場 | 石川県教育会館 3階ホール |
内容 |
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入場料 | 無料(会場でカンパを募ります) |
主催者 | 九条の会・石川ネット |
その他 | 手話通訳あります。 |